2009年11月1日(日)20:00-21:00 <再放送11月6日(金)23:00-24:00>
シーサイドシアター「台詞の入ったサウンドトラック」対訳資料

♪The Rain In Spain (My Fair Lady 映画版から)

【原文】
Eliza : The rain in s Spain stays mainly in the plain
Higgins : Again
Eliza : The rain in s Spain stays mainly in the plain
Higgins : I think she's got it ! I think she's got it !
Eliza : The rain in s Spain stays mainly in the plain
Higgins : By George, she got it! By George, she's got it !
Now once again , where does it rain ?

♪The Rain In Spain

【対訳】
イライザ:スペインの雨は主に平野に降る。
ヒギンズ:もういちど
イライザ:スペインの雨は主に平野に降る。
ヒギンズ:彼女はやったぞ!彼女はやったぞ!
イライザ:スペインの雨は主に平野に降る。
ヒギンズ:本当に(By George) 彼女はやったぞ!さあ、もう一度、スペインの雨はどこに降る?

【訳注】
「By George」の語源になったジョージさんはこの人らしいです。

♪Without You (My Fair Lady 映画版から)

【原文】
Eliza : What a fool I was ?
What a dominated fool!
To Think you were the earth and sky
what a fool I was !
What an addlepated fool !
What a mutton headed do it was !
No, my reverberating friend
You are not the beginning and the end.
♪Without You

【対訳】
イライザ:なんと私は愚かだったのだろう!
なんと圧倒的な(Dominated)愚か者だったのだろう!
あなたを世界のすべて(Erath And Sky)と考えたりしてしまった。
なんと私は愚かだったのだろう!
なんと、頭のおかしい(Addlepated)愚か者だったのだろう。
なんとのろまな(Mutton Headed)愚か者だったのだろう。
No! 私の光り輝く(Reverberating)友だちさん(ヒギンズのこと)
あなたは私のすべて(The Beginning and the End→聖書から)でもなんでもない!

【訳注】
ここで、イライザがいろんな言葉のバリエーションを使って自らを嘆く場面は、トレーニングの結果、語彙が豊かになっている様を逆説的に表現していると考えてよいと思います。
ところで、この一節とはまったく関係ありませんが、イライザとお父さんのファミリーネーム「ドゥーリトル」(Doolittle)は「ドリトル先生」シリーズの「ドリトル」(Dolittle)と「o」の数が一つ違うだけでほぼ同じです。(意外と気付きにくいです)
♪Nothing (chorusline 2006年再演版から)

【原文】
Diana Morales : So excited because I'm gonna go to the High School of Performing Arts!
I mean , I was dying to be a serious actress.
Anyway , it's the first day of acting class and we're in the auditorium and the teacher , Mr.Karp , oh , Mr.Karp...anyway he puts us up on the stage with our legs around each other , one in back of the other and he says:
Okay... we're going to do improvisations. Now , you're on a bobsled.
It's sowing out. And it's cold...Okay...Go!
♪Nothing

【対訳】
ダイアナ・モラレス:パフォーミング・アートの高校の初日私はとても興奮していたわ、私はとにかく最高の女優になりたかったから。演技のクラスの初日、講堂に集まって先生のカープが…そうカープ…とにかく彼は私たちを舞台に上げて、並んだ前の人の体を囲むように足を投げ出させて座らせた。そして彼は「オーケイ、これから即興の演技を勉強しよう、今、君たちはボブスレーの乗っている、そこは雪が降っていて寒い、さあやってみよう!」と言った。

【訳注】
2006年再演版では、「Diana's Method-acting lament(ダイアナ・モラレスのメソッド演技による嘆き)」 という副題が付けられています。
この「メソッド・アクティング」はいわゆるスタニスラフスキーとかリー・ストラスバーグらの「メソッド演技」を指しているのだと思います。
「ガラスの仮面」の「北島マヤ」のように「役柄になりきる」ことを教義とした「メソッド演技」はその後、演技者本人の満足感としてはともかく、表現としては必ずしも効果的でないのではないか?ということになり下火となりました。そういう意味ではモラレスの「嘆き」は的を得ていたわけです。
♪Tom Dick or Harry (Kiss Me Kate 2000年再演版から)

【原文】
すみません、正確な原文がわからなかったのでなしです。
♪Tom Dick or Harry

【訳文】
Gremio & Lucentio,Hortensio:バプティスタさん!
Baptista:紳士諸君、私は決意した、(気が強くてもらいてのない)姉が結婚するまでは、妹(Youngest Daughter)は嫁には出さない。

【訳注】
英語版のWikipediaにはちゃんと「Tom Dick or Harry」について解説したページがあります。
なお、サウンドトラック盤に収録された台詞は実際の舞台のやりとりをコンパクトに縮めているようです。(音楽も短くなっています)
♪Supercalifragilisticexpialidocious (Mary Poppins 2005 London Cast)

【原文】
Mary Poppins : Super-cali-fragi-listic-expi-alid-ocious !
Michael : That's not a word !
Mary Poppins : Of course it's a word ! And unless I'm very much mistaken I think it's going to prove a rather useful one .
♪Supercalifragilisticexpialidocious

【訳文】
メリー・ポピンス:スーパー・カリ・フラジ・リスティック・エクス・ピアリ・ドウシャス!
マイケル:そんな言葉はないよ
メリー・ポピンス:もちろんあるのよ、そして間違わないで言うことができたら、とても役に立つことがわかるわよ

【訳注】
「メリー・ポピンス」は書籍では「メアリー・ポピンズ」だったりして、綴りは、エリザベス一世に処刑された「メアリー・スチュアート」あるいはプロテスタントを虐殺した「メアリー1世」と同じです。(流血系の話ばかりで恐縮ですが…)
語源は「ウエスト・サイド」の「マリア」と同じルーツでキリスト教から来た名前です。劇中の「バンクス氏」が代表するプロテスタント系金融資本に対する鉄槌として「メアリー」という名前が選ばれた…というのは…なさそうです。すみません。
♪A Spoonful Of Sugar (Mary Poppins 2005 London Cast)

【原文】
In every job must be doe there is an element of fun.
You find the fun and snap !
The Job's a game.
♪A Spoonful Of Sugar

【訳文】
どんな仕事でも楽しんでやらなきゃね
面白いところを見つけて、スナップすれば
どんな仕事もゲームになる

【訳注】
映画では上記は全部台詞ですが、舞台版二行目から節がついて歌になっています。
♪I Feel Pretty (West Side Story 映画版から)

【原文】
Consuelo : What has Chino done to her?
Maria : Chino? Why Chino?
Rosalia : Maybe she is just dolling up for us. Gracias, Querida.
Maria : Rosalia...Consuelo, my adorable friends Can you keep a secret?
Consuelo : I'm hot for secrets.
Maria : No,I won't tell you.
Francesca : what?
Maria : What?
Consuelo : The poor girl is out of her mind.
Maria : I am...crazy?
Rosalia : She might be at that. She looks somehow different.
Maria : I do?
Rosalia : And I Think she is up to something.
Maria:I am?
Consuelo : "I do?"" I am?" She talks like a parrot.
What is going on with you, Maria?
♪I Feel Pretty

【訳文】
コンスエーロ:チノと彼女(マリア)に何かあったの?
マリア:チノ?なんでまたチノと?
ロザリア:きっと私たちのためにおしゃれして(doll up)してくれているのよ。ありがとう、お嬢さん(Gracias, Querida...スペイン語)
マリア:ロザリア、コンスエーロ、私の尊敬できるお友達、秘密、守れる?
コンスエーロ:秘密大好き
マリア:いや、やっぱりやめた
フランチェスカ:どうして?
マリア:どうしてって?
コンスエーロ:この子、頭がおかしくなちゃってるわよ
ロザリア:たしかにそのとおりね、いつもと様子が違うわ
マリア:私、変?
ロザリア:何かあるのよ
マリア:私に?「私、変?」「私が?」ってまるで「オオムじゃない、いったいどうしたのマリア

【訳注】
これと次のジェット団の会話からもわかるように、「ウエスト・サイド」の英語はスペイン語なまりだったり、スラングだらけだったりして、英語について某かの正統的な知識を得たい人にはまったく不向きですね。
♪Gee, Officer Krupke (West Side Story 映画版から)

【原文】
Riff : See them cops, they believe everything they read in the papers about us cruddy j.d.s, so that's what we give 'em Something to believe in.
Tiger : Hey you!
Riff : Who me, Officer Krupke?
Tiger : Yeah, you! Give me one good reason for not dragging you down to the station house , you punk!
♪Gee, Officer Krupke

【訳文】
リフ:警官ってもんは、新聞で読む俺たち下劣な(cruddy)ジェット団(j.d.s)の記事は全部信じるんだ。だから、奴らに信じ込めるなにかをくれておいてやろうじゃないか
タイガー:おい、お前
リフ:俺のことかい?クラプキ巡査
タイガー:そうだお前だ、なんとかお前を署(station)まで引っぱって行かなくて済むいい理由をくれないか、この青二才 (punk)が!

【訳注】
この時点ではまだ「少年メリケンサック」みたいな「パンク・ロック」は存在していないわけですが「punk」という言葉だけはあったのがわかります。おそらくは完全に否定的なニュアンスの言葉だったのだろうと思います。
♪Welcome To The 60's (Hairspray 映画版から)

【原文】
Edna : Tracy , I haven't left this house in years.
Tracy : Then isn't it time you did.
Edona : Oh no Tracy , we'll have your father meet with him .
I don't wanna be seen like this ,
the neighbors haven't seen me since I was a size 10.
Don't make me do it Tracy.
Tracy : Ma , it's changing out there . You'll like it.
People who are different, their time is coming.
♪Welcome To The 60's

【訳文】
エドナ:トレーシー、私はもう何年も家から出てないのよ
トレーシー:じゃあ今がそのときじゃない
エドナ:だめよ、お父さんに行ってもらいましょう、今の私を人に見られたくないの
このあたりの人は私がサイズ10(Mサイズ)だったことから私を見てないのよ、私に恥ずかしい思いをさせないでちょうだい
トレーシー:ママ、世界は変わっているのよ、ママもきっとそれを気に入るわ、みんなそれぞれ個性を持っているの、今が外に出て行く時よ
♪There Is Life Outside Your Apartment (Avenue Q)

【原文】
Brian : Princeton !
Princeton : Yeah.
Brian : Listen , buddy , nobody's seen ya for two weeks.
What's up with that ?
Princeton : I went to work for a temp agency ,
and they fired me for being too depressing on the phone .
I maxed out my cards.
I'm two month behind in rent .
I totally messed up my personal life .
Oh , and Brian -
Brian : All right , Get off your ass and stop worrying! Everyone's getting together to mess around the city today .
Princeton : have fun
Brian : when I say "everyone,"
that include you!
♪There Is Life Outside Your Apartment

【訳文】
ブライアン:プリンストン!
プリンストン:やあ
ブライアン:どうしたんだ、お前のことをもう2週間も見なかったけど、何かあったのか?
プリンストン:仕事をしようと思って派遣会社に行ったんだ、そしたら電話での話し方が暗いからってクビにされた、クレジットカードももう限度額(maxed out)で使えない、家賃も2ヶ月滞っている、もう自分の人生はぐちゃぐちゃだ
ブライアン:大丈夫だよ、じっとしてないで( Get off your ass )、怖がるのをやめるんだよ。今日、みんなでバカ騒ぎしようと思ってるんだよ。
プリンストン:楽しんできて
ブライアン:俺が「みんな」と言ったらお前のことも含むんだよ

【訳注】
「アベニューQ」は2003年の初演ですから、この、「派遣会社でクビ」の一節は日本で「派遣切り」といったことがセンセーショナルに語られるよりだいぶ前のことです。
…ですが、その後「人税派遣を規制しろ」といった意見がアメリカで声高に語られているとも聞きませんので、社会の大勢としては「そのくらいのことはあるでしょ」という太っ腹なスタンスだと思われます。
♪Always Look On The Bright Side Of Life (Monty Pysin's Spamalot)

【原文】
Arthur : This is a total bloody disaster!
All my knights have fled and we're lost in a dark and very expensive forest.
Patsy : Well. it could be worse.
Arthur : Well , how could it possibly be worse?
Patsy : Oh , cheer up sire. You know what they say...
Arthur : what do they say Patsy?
♪Always Look On The Bright Side Of Life

【訳文】
アーサー:なんてひどいことになったんだ
部下の騎士たちは皆逃げて(fled)しまい、我々は暗く金のかかる森で迷っている。
パッツィー(従者):もっと悪いことにだってなっていたかもしれませんよ
アーサー:これ以上どんな悪いことがあるっていうんだい?
パッツィー:元気を出してくださいよご主人様(sire)、こんな言葉がありますよ
アーサー:どんな言葉だい?

【訳注】
「モンティパイソンのスパマロット」の「スパマロット」はspam a lot(スパムがたくさん、あるいはスパムをたくさん)といった意味だと思いますが、モンティパイソンと「スパム」(肉の缶詰料理)のかかわりについてはいろいろネットで解説されています。興味のある方はご覧下さい。現物は「ドン・キ・ホーテ」などの食品売り場に大量に陳列されていることがあります。(誰かが買っているのはまだ見たことがないですが)
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